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痴漢者トーマスが言っていた、「いただきます」の意味
また会ったな、オレだ。
今日オレは包み隠さず、オレの過去を暴露しようと思っている。そりゃそうだ、大切な人生の時間をおれのブログにさいて見てくれているんだ。そんな大切なエッグちゃんに心を開かずして何をひらけというのだろうか。
オレの友人に『痴漢者トーマス』という異名を持つナンパ師がいる。こいつは少し風変わりしていて、ベッド・インするときはいつも…
『心開かずして、股ひらくべからず』
とわけわからないことを発し、きわめつけに…
「いただきます」と女の耳元でささやき、ことをスタートさせるのだった。痴漢者トーマスいわく、「心を開いてくれない女を抱いたところでぼくは何も楽しくありません。勃ちもしません。お互いが心を開きあう。そこから路上の奇跡が始まるんです」と。
かっこいいのか、かっこよくないのか、よくわからないが、たしかにまずは自分が心を開いて、そして相手も心を開くこの順番は、コミュニケーションの王道、間違いないだろう。
ちなみにオレは「行動心理士」という資格を持っている。心理学観点から見ても、理にかなっている。
話は逸れたが、今日も変な話をする。
これを信じられる人はほとんどいない、もし信じられたらおまえは天才か変人。まぁ、ざっと読み流してほしい。
単刀直入に言う。
『神様に好かれるやつは何をやってもうまくいく』
もうほんとうにこの世はそうなってる。理由なんていうまでもない。
じゃあ神様が一番好きなこと、人間ができる一番『高徳な行動』はなにか。
それは…
「感謝」
怪しいと言われるのが嫌だから深くは論じないが、「ありがとう」という言葉はこの世で一番波動が高い。ちなみに5万回いうと奇跡がおこる。立証済み。
おれはナンパ師ではなかったが、20.21歳はチャラチャラ遊んでた。そりゃ年頃の健康男子!「女の子はちょっと…」なんて言ってる奴は…
よっぽどのガリ勉か、ゲイだ
毎週のように遊びほうけていた。
でも、あるとき思ったんだ。
「チャラチャラ一晩を過ごす一夜と、お寺でお坊さんの話を聞く一晩、どちらのほうが価値があるのか?」
おれは何を思ったか、インド旅からの帰り道、東京に直接戻らず京都のある寺に泊まりにいった。そして一泊した。宿坊と言われるやつらしい。
そしてそのときお坊さんに言われた…
「あなたは、いただきますの意味を知っていますか?」
正直オレはわからなかった。飯を食う前に「とりあえず言え」と育てられた。ぶっちゃけ言うのはめんどくせぇな、くらいにしか思ってなかった。
坊さんは続けた…
『命をいただいているという意味です』
インドを旅しているとき、鳥を目の前でさばいてもらった。
首をかききると血しぶきをあげ、首がない状態の胴体だけが暴れまわっていた。バタバタと羽をばたつかせ…
「あいつはいま天国へ羽ばたいていってるんだ…」
おれは思った。
それからオレは自然に「いただきます」を言うようになった。オレは言葉の意味さえ知らなかった。まだガキだったんだ。
べつに「いただきます」なんて無理に言わなくていい。やれ、と言われたことは人間できない。
でも…
オレたちが生きるということは、たくさんの命の上に、犠牲の上になりたっている。
それを知るか知らないか、体感するか体感しないか、それだけで…
目にうつる当たり前の光景が、変わり始めたんだ。
「痴漢者トーマス」
異名を持つ男
あいつの奇行はたぶん…
あの日に起こった“路上の奇跡”に、感謝していたんだ。